転職で失敗・後悔しないためにできること

会社選びはデータより相性を重視

仕事がなかなか思うように進まずどんなに頑張っても残業になってしまうという状況について悩んでいる男性がいます。一切サボったり休憩をしたりしていないにも関わらずどうしても終わらないので、割り当てられている仕事量に無理があると考えています。ところが、彼には業務とは別に気に病んでいる事柄があり、それが解消されると驚くほど仕事が進むようになりました。

このように、人が自分でコレだ！と思い込んでいる理由はなかなかアテにならないものです。転職エージェントを活用すべきポイントはまさにここで、よいキャリアアドバイザーは転職を希望する理由から転職希望者の得意不得意、さらには本当に転職をすべきかどうかまで、本人が自分で気づいていない点まで掘り下げて一緒に考えてくれます。

これをもし本人の思い込みだけを頼りにデータのみで転職先を選んでしまったらどうなるでしょうか。面接で落ちればまだラッキーで、採用されてしまった場合には、前職と同じかあるいはもっと大きな苦悩を背負い込むことになります。

せっかく転職するならば、会社選びはデータのみで行わず、エージェントに登録してその会社に関する生の声を聞きましょう。新しい就業先との相性は業務内容と同じかそれ以上に働く人の幸せを左右する重要なポイントです。転職してから失敗に気づき、後悔しないためにも事前によく話を聞いて相性を見極めることをおすすめします。

年収アップにはそれ相応のリスクがあることを忘れずに

年収アップを目的として転職を考える人は多いと思います。子どもが成長し、高校・大学と進学していくことを考えるともっと年収のいい会社に転職したい、あるいは自らのスキルや実力を考えると現職の年収は少なすぎるのでもっと正当に評価してくれる会社を探したい、など人によってその内訳は様々でしょう。

いちばんいいのは、やりがいも年収もアップし、周囲の評価も上がって毎日出勤するのが楽しくなった、というケースです。しかし多くの場合、現在の年収にはそれなりの理由があります。そこを見誤って年収アップのみを目指して転職してしまうと、年収はアップしたが仕事にやりがいが持てなくなった、できないことだらけで評価が下がり会社に行く足取りが重くなった、社風がまったく合わず日常会話すらできる人がいない、などなど、あらゆる悩みにつながりかねません。

最初にお伝えしたようなWin-Winのケースがないとは言いませんが、それを手に入れるにはそれ相応の能力や努力が必要です。転職する時点での自分の状態をよく把握し、転職先でどのくらいチャレンジする意欲があるかを見極めた後に、やはり年収アップを狙うのか、それとも仕事内容や職場環境を重視するのかを決定し、転職に踏み切ることをおすすめします。

キャリアチェンジと年齢の関係

四大新卒で営業職に就いたが、次第に人と話すのがだんだん辛くなり、自分には机に向かって1人で黙々と作業をするような仕事のほうが向いているんじゃないかと考えている。この悩みにぶち当たったのがこの仕事に就いて1年未満の場合、3年目の場合、10年以上経過している場合でそれぞれこの人が取るべき行動は変わってきます。

例えば1年未満の場合、まだ営業職の面白さがわかっていない場合が多分に考えられます。うまくできない仕事に対して人はよく「向いていないのかもしれない」と思うもの。まだ23歳なんだからもう少し頑張ってみることを私ならおすすめしますね。ただ、本当に向いていない確率もゼロではありません。しかし仮にそうだとしてもせっかく就いた営業職から何かを学ぶまでもう数年頑張ってみてから転職しても遅くはないでしょう。

3年目の場合、これは少し立ち止まってみてもいいかもしれません。年齢も25歳。業種や職種を変えるには迷わず旅立てる時期でもあります。まだ現職の面白みがわかっていないという可能性もありますが、そこは本人の辛さと天秤にかけて決めればいいでしょう。

10年以上経過している場合、つまり30代に突入しているというケースです。10年勤めて向いていないことに気づいたというのはかなり深刻です。30代前半であるならばまだ本人の意欲次第ではまったく新しい業界に飛び込んで成功を収める可能性がないとは言えません。しかし30代後半および40代になってくると、未経験の業種に飛び込むにはかなりの覚悟が必要であり、同時に何かよほどのアピールポイントがない限り採用側は首を縦に振らないと考えておいたほうがいいでしょう。

キャリアチェンジは早ければ早いほどいい、というのは事実です。年齢を重ねるほど難しくなります。若いうちはそれを念頭に置きながら仕事に向き合うこと、そして年齢を重ねてからどうしてもキャリアチェンジを望むなら、自分とよく向き合い、努力を重ねた上で可能な方法を模索する必要があります。